blog

クリニックブログ

裏側矯正の痛みはいつまで続く?原因と対処法を解説 投稿日:2025/10/07 更新日:2025/10/07

 

歯並びを整えるための選択肢として、人気が高まっているのが「裏側矯正」です。

正面から見えにくいメリットに惹かれる方が多い一方、装置による痛みや違和感に悩む人も少なくありません。

この記事では、裏側矯正で痛みが出る原因や、痛みが続く期間の目安を解説します。

日常生活でできる対処法や、医師に相談すべきタイミングにも触れていますので、参考にしてください。

 

裏側矯正の痛みは舌が痛い?

裏側矯正は、装置が歯の裏側にあるため舌に当たりやすく、治療直後は会話や食事で違和感を覚えることがあります。

摩擦によって小さな傷ができ、発音がしづらいと感じる方も少なくありません。

 

舌は粘膜が敏感なため刺激を受けやすいですが、回復が早い部位でもあります。

軽い傷であれば自然に治るケースが多い一方、強い痛みが長引く場合は装置の位置や形状が原因の可能性もあります。

下記に、痛みを感じやすい場面と症状を整理しました。

 

痛みを感じやすいタイミング 特徴
会話や食事のとき 擦れるような違和感や軽い痛み
舌を大きく動かしたとき 赤みや小さな傷が生じやすい
強く器具に当たる場合 出血を伴うこともある

 

舌の痛みは多くの人が経験しますが、適切に対処すれば大きな問題に発展することは少ないでしょう。

 

裏側矯正の痛みはいつまで続く?

裏側矯正による痛みの多くは、治療開始から数日から1週間程度で和らぐ傾向です。

とくに装置やワイヤーを付けた直後は、歯が動き始める影響で強い違和感を覚えることが多いでしょう。

噛んだときに歯全体が浮くように感じたり、硬い食べ物を避けたくなる場合も少なくありません。

 

その後は徐々に口腔内が装置に慣れていき、食事や会話がしやすくなるケースが大半です。

ただし、痛みがまったく無くなるわけではなく、調整のたびに数日間の軽い痛みが繰り返されることも。

そのため、治療中は「痛みが完全に消える」のではなく「痛みに順応しながら矯正が進む」と考えると安心です。

 

一方、痛みが長期間強く続く場合や、舌や頬に大きな傷ができている場合は注意が必要です。

通常の経過では改善しない可能性があるため、早めに医師に調整してもらうことをおすすめします。

 

関連記事:裏側矯正の治療期間はどれくらい?治療の流れと短縮する方法も解説

 

裏側矯正の痛みを覚える5つの原因

単に装置が舌や粘膜に触れるだけでなく、口腔内の健康状態や炎症の有無によっても痛みの程度は変わります。

ここでは、代表的な要因を5つあげました。

 

  • 歯茎に炎症がある
  • 器具が当たっている
  • 虫歯がある
  • 歯周炎がある
  • 歯髄炎がある

 

それぞれ痛みの性質や症状が異なるため、どのようなサインに気づけばよいのかを順に見ていきましょう。

 

歯茎に炎症がある

装置が常に歯の裏側に接しているため、歯肉に刺激が加わりやすく、炎症が起きると痛みが強まります。

炎症部分は赤く腫れたり、ブラッシングの際に出血することもあり、違和感だけでなく不快感を伴います。

また、細かい部分に食べかすが残り、細菌が繁殖すると症状が長引くケースも少なくありません。

歯茎の炎症は口腔内の清掃不足によって悪化しやすいため、装置がある状態ではより注意が必要です。

 

器具が当たっている

裏側矯正の装置の金具が、舌の側面や先端に繰り返し触れることがあります。

会話や咀嚼で舌を大きく動かすと、ワイヤーやブラケットが擦れて小さな傷を作り、痛みの原因となります。

また、装置の角が舌に強く当たる場合や、一部の歯だけ突出して擦りやすい状態では刺激が集中するため危険です。

このような摩擦や圧迫が続くと、粘膜が赤く腫れたり、食事中に鋭い痛みを伴ったりすることも少なくありません。

 

虫歯がある

虫歯の場合、歯の表面を覆うエナメル質が溶け、内側の象牙質に達し、神経に近づくため刺激に敏感になります。

この状態で矯正力が加わると、歯の移動による圧力が虫歯部分に集中し、通常より強い痛みを覚えやすくなります。

さらに、冷たい飲み物や食事の温度差に反応して、しみる感覚が鋭く現れることも。

虫歯がある歯は健全な歯に比べて弱く、外部からの負担を受けやすいため、矯正中は痛みの原因となりやすいです。

 

歯周炎がある

歯周炎は、歯を支える組織が細菌によって炎症を起こす病気です。

歯茎が腫れている状態で矯正力が加わると、歯を動かす際の圧力が炎症部位に集中し、強い違和感を伴います。

さらに進行すると、歯槽骨が徐々に吸収され、歯が揺れるような感覚が生じることもあります。

このときの痛みは装置による刺激とは異なり、内部から響くような鈍い痛みが特徴です。

歯周炎が背景にあると、矯正による正常な歯の動きに支障をきたしやすく、痛みの原因として見逃せません。

 

歯髄炎がある

歯髄炎は、歯の神経が炎症を起こしている状態です。

虫歯や外傷によって歯髄に細菌が侵入すると炎症が生じ、内部からズキズキとした痛みが広がります。

矯正の力が加わると、この炎症部位にさらなる圧力がかかり、通常より鋭く持続的な痛みが生じやすくなります。

たとえば、食事や噛みしめたときに響く痛みや、夜間に強くなる自発痛などがあげられるでしょう。

歯髄炎があると歯そのものが過敏になり、矯正による歯の移動が強い痛みの引き金となるため注意が必要です。

 

裏側矯正の痛みを覚えたときの6つの対処法

裏側矯正で痛みを感じたときは、放置せずに適切な方法で対処することが大切です。

一時的な痛みであっても、工夫次第で軽減できる場合が多く、日常生活への支障を最小限に抑えられます。

ここでは、具体的な対処法を6つ紹介します。

 

  • 患部を冷やす
  • 矯正用のワックスを使う
  • 生理食塩水でうがいする
  • 痛み止めを飲む
  • やわらかいブラシで磨く
  • 医師に相談する

 

状況に応じて対処することで、矯正中の痛みを緩和しながら治療を継続しやすくなります。

 

患部を冷やす

矯正中に強い痛みを覚えたときは、冷やすことで症状が和らぐ場合があります。

冷たい水を口に含んだり、氷を軽く当てたりすることで血流が一時的に抑えられ、炎症による腫れや不快感が落ち着きやすくなります。

とくに装置を付けた直後や、調整のあとに感じるズキズキした痛みに有効です。

 

ただし、氷を長時間舌や歯茎に押し当てると、粘膜を傷付けるおそれがあるため注意しましょう。

短時間で小まめに試すことで負担を減らし、日常生活を快適に過ごしやすくなります。

簡単な対処法なので、あくまで一時的に痛みを軽減する目的で試してください。

 

矯正用のワックスを使う

裏側矯正で器具が舌や頬の粘膜に当たり続けると、擦れて傷ができやすくなります。

そのようなときに役立つのが、矯正用ワックスです。

ワックスをブラケットやワイヤーの角に貼り付けることで、表面がなめらかになり、粘膜への刺激が緩和されます。

 

とくに会話が多い日や食事で舌を大きく動かす場面では、摩擦を減らす効果を実感しやすいでしょう。

市販品として手に入りやすく、自宅でも手軽に使用できるため、矯正中の必須アイテムといえます。

 

生理食塩水でうがいする

生理食塩水とは、人間の体液に近い濃度(0.9%程度)の塩分を含んだ水です。

この液体でうがいをすると、粘膜への刺激が少なく、口内を優しく清潔に保てます。

舌や頬に小さな傷ができた場合でも、細菌の繁殖を抑えて炎症の悪化を防げるでしょう。

 

また、食後に使用すると食べかすを取り除く補助になり、虫歯や歯周トラブルの予防にもつながります。

薬を使わない自然な方法のため日常的に取り入れやすく、矯正中のセルフケアとして効果的です。

口腔内を穏やかに整える手段として、多くの患者が実践しています。

 

痛み止めを飲む

歯が動く際の圧力や装置の刺激で炎症が起こると、日常生活に支障が出るほどの不快感や痛みが伴うこともあります。

このようなケースは、我慢せずに痛み止めを服用したほうがよいでしょう。

一時的な薬の服用により、集中力や食欲を取り戻しやすくなります。

 

一般的にはアセトアミノフェンやイブプロフェンが使用されますが、体質や既往歴によって適さない場合もあります。

自己判断での多用は避け、必要に応じて歯科医や薬剤師・医薬品登録販売者に相談してください。

 

やわらかいブラシで磨く

裏側矯正中は装置の周囲に汚れが溜まりやすく、清掃不足が痛みの一因となることがあります。

このとき硬い毛の歯ブラシを使うと歯茎や粘膜を傷付けやすく、炎症や出血を招きかねません。

そのため、やわらかい毛先のブラシを選ぶことで負担を減らし、口内を清潔に保ちやすくなります。

 

毛先がしなやかなブラシほど、矯正装置の隙間や歯と歯茎の境目にも入り込めます。

食べかすやプラークを無理なく除去できるため、歯茎の腫れや不快感を和らげられるでしょう。

 

医師に相談する

矯正中の痛みが強く長引く場合や、腫れ・出血などの異常を伴う場合には、自己判断せず医師に相談することが重要です。

装置の一部が外れて粘膜に強く当たっていたり、歯の根や神経にトラブルが起きている可能性も考えられます。

このような状況はセルフケアだけで改善するのは困難です。

 

医師に相談すれば、装置の調整や口内のチェックを受けられ、原因に応じて適切に処置されます。

必要に応じて薬の処方や、治療計画の見直しも提案してもらえます。

 

裏側矯正で痛みを感じたら早めの対処を

裏側矯正は目立ちにくい治療法として人気ですが、装置が舌や歯茎に触れることで痛みや違和感が生じる場合があります。

多くは時間とともに慣れていきますが、強い痛みが続くときは原因を確認し、適切な対処が欠かせません。

 

表参道ヒカリデンタル矯正歯科では、3D-CTや光学スキャナーを用いたデジタル矯正システムにより、精密な診断と安全性に配慮して治療しています。

裏側矯正をはじめ、装置の種類も豊富で、一人ひとりの希望や症状に合わせたプランを提案できるため安心です。

「痛みが不安」「自分に合う方法を知りたい」とお悩みの方は、まず初診相談で気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

監修者の写真
           

清水直子 Shimizu Naoko

表参道ヒカリデンタル矯正歯科 院長

《資格》

日本矯正歯科学会認定

First Counseling初診相談

当院では初診相談を行なっております。

歯列矯正治療に興味のある方は、お気軽にご利用ください。まだ治療を始めるかどうか決めていない方でも、不安や疑問をご相談ください。

もっと詳しく

back_top